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第二の人生は出張寿司職人62歳の挑戦

二か月で寿司職人になれる、そんな奇跡の学校は、日本初の寿司職人養成学校、東京すしアカデミー。

長い修行に身を投じた末にようやく職人として認められる寿司の世界。この学校の出現は大きな革命をもたらした。

わずか二か月間で、頭と体に技術を徹底的に叩き込まなければ、寿司職人の道はいともたやすく閉ざされる。

今回の主人公は、第二の人生を寿司職人にかける、2か月コース130期最年長の男性である。

※本記事は、10月30日、11月6日放送の

BSジャパン「運命の日~ニッポンの挑戦者たち~」を元に作成しています。

元高校教師が今度は学ぶ側に

本郷康士さん(62)は元高校教師。

愛知県内の高校で国語の先生としておよそ40年間勤め上げた。

退職後はシニアボランティアとしてインドネシアの日本語教師を務めるなど精力的に動いていた。

こうした中で第二の人生について深く考えるようになったという。

「退職したらあとの人生何しようかなって考えていたんです。

自分の好きな料理という分野で暮らすことができたら幸せだろうなと漠然と考えていました。

自分の好きな地元の魚を美味しく食べてもらう、付加価値をいっぱいつけて食べてもらう。

これは寿司だなと思いました。」

地元愛知でとれる豊富な魚を使った寿司屋をオープンしたい。

貯金の一部を切り崩してすしアカデミーに入学。いちから寿司を学ぶことに決めた。

やっと出会えた本当の自分

入学して二週間がたった9月13日。この日は繊細な技術が求められる玉子焼きの授業だ。

一人前の寿司職人を目指す以上、握り以外の技術も習得しなければならない。

出汁を入れる分量からしっかりと基本を学んでいく。しかしこれがなかなか難しい。

ここで使う玉子焼き器は家庭用のものと比べるとおよそ倍の重さの業務用。扱うのが大変である。

懸命に玉子焼き器と格闘していた本郷さん。見るとなかなかの出来栄えだ。

「すごく新鮮です。こんな楽しい毎日が待っていたのかと、わくわくする気持ちで登校しています。

これだけのお金をかけて、なぜやるのかと思われても不思議じゃないですよね。

でも自分の中で本気でこういうことをやって暮らしたい気持ちが心の底にずっとあったんです。

今の自分の方が本当の自分なんじゃないかと思うこともありますね。」

地元の魚を使った出張寿司職人を目指す

授業を終え、自宅に戻る本郷さん。

といってもそこはすしアカデミーの側に借りたウィークリーマンション。

授業のため今は家族のいる愛知から離れて一人暮らしをしている。

「今日授業でつくった寿司を食べます。」

食事のほとんどは授業で自分が作った寿司だ。羨ましいような、羨ましくないような・・・。

「毎日作ったはお昼や夜にそれを食べてという感じです。まさに毎日寿司漬けですね。」

卒業後は開業を視野に入れている本郷さんだが当然そこにはまたお金がかかる。

将来設計をどのように考えているのだろうか。

「店を構えるのに大金を使うリスクはかけられませんので、

ネタケース一つあればできることをしたいと思っています。出張シェフみたいにね。」

60代から始めた出張寿司職人への挑戦。だからこそきちんと卒業してプロを名乗りたい。

「料理は自分が唯一得意な分野ですので、それで合格点がもらえないようならただの趣味でいいです。

期する思いは強くて何とか頑張って合格点を取りたいですね。」

運命の日に向けた自主練習

この日、初めて時間を測っての握り練習を行った。

終了証を手にするためには、最終試験である握りのタイムトライアルに合格しなければならない。

合格するためにはまず3分間で18貫の寿司を握りること。握りが遅いと寿司に体温が伝わり味にも影響してしまうためだ。

また、握ったものの中から形や重さが正確なものが15個以上必要となってくる。

本郷さん、初めてのタイムトライアルの結果は3分間で10貫。

残り1か月で、握るスピードをおよそ倍にしなければならない。しかも2貫、形が大きく崩れてしまっている。

その日の放課後、教室に本郷さんの姿があった。

シャリだけをひたすら測りの上にのせている。

何も考えず一発で理想のシャリの量をつかめるようになるための練習のようだ。

「慣れてる人は重さがぴたりと合うんですけどね。

私はまだまだそこまでいってないので反復練習が必要です」

料理人の資質を試す試金石

運命の日前日。本郷さんは地元愛知県西尾市に帰省し魚市場に立ち寄った。

ここで水揚げされる魚をつかった出張寿司職人になりたい。それが本郷さんの第二の人生だ。

「地魚の美味しさを皆に知ってほしいです。自分には何ができるのかをずっと考えていました。」

自宅に戻った本郷さんは、仕入れた大きなブリで寿司を作り始めた。遊びに来た子供たち家族にふるまうというのだ。

60歳を超え、突然寿司職人を目指した父。子供たちにはどんな風に見えているだろうか。

「今までも料理をしている時は生き生きしていましたが、すしアカデミーにいってからなおさらキラキラしてます。

父の今後のビジョンが現実味を帯びてきましたし、通って良かったんじゃないでしょうか。」

さてここからは家族の前でテストに事前練習。なんとこの日は3分間で22貫握ることができた。

20貫を超えたのは初めて。家族を前に大きな手応えを掴んだようだ。

「明日は料理人の世界に入ってもいいのかの試金石になるテストです。

自分の思うような力が出せたら自身をもって新しい世界に踏み出していけると思うんです」

運命の日。料理人としてのスタートラインに

そして運命の日。

本郷さんの表情を見ると意外にも落ち着いているようだ。

「今まで失敗の連続だったので、心配・応援してくれる家族のためにも楽しんでやっていきたいです」

初めての時間測定の時にはわずか10貫。その日から一心不乱に練習に打ち込み

前日、家族の前で練習した際にはなんと22貫握ることができたという。

そんな本郷さんの運命の試験。

結果は18貫握ったうちの17貫が形や重さの審査もクリアした。見事合格だ。ほっとした表情。

そして後日行われた卒業式。終了証をしっかりと手に持ち今後のビジョンを力強く語ってくれた。

「早速出張寿司職人になるため必要な機材などをそろえ来年には始動する予定です。

まだ寿司職人のひよっこのひよっこですけどその道のスタート地点には立たせてもらえました。

あとは更なる技術を身に着けるため、1か月間の和食講座も追加受講する予定です」

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