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寿司職人の父へ恩返しハワイ出店という大きな目標に挑む

修行を重ねたプロたちから生み出される芸術作品、寿司。

伝統的な日本の食文化を代表する寿司の世界に今新たな風が吹いていることをご存知だろうか。

それは、日本初の寿司職人養成学校、東京すしアカデミー。

この学校がもたらしたのは、革新。

今回は、寿司に魅せられ人生をかけてアカデミーの門を叩いた男性の物語だ。

※本記事は、10月31日・11月6日放送の

BSジャパン「運命の日〜ニッポンの挑戦者たち〜」から引用して作成しています。

寿司業界に新たな風

二ヶ月で寿司職人になれる、そんな奇跡の学校は東京新宿にあった。

日本初の寿司職人養成学校、東京すしアカデミー。

長い修行機関に身を投じた末にやっと職人として認められる寿司の世界。

この学校の出現は大きな革命をもたらした。

すべてのコースの卒業は1年以内に設定され、短期間で寿司の技術を学ぶことができる。

2002年の開講以来、伝統を重んじる寿司業界にあって、

賛否両論を巻き起こしながらも3000人以上の寿司職人を輩出。

中にはミシュラン星付きの店に就職した卒業生もいるという。

すしアカデミー代表の福江誠はこう語る。

「短期間で集中的に繰り返し行うことで、

全くの未経験からかなり一定以上の技術を身につけることが可能なんです。」

「父に恩返しをしたい」23歳の大きな夢

この学校で最も期間が短いのは、江戸前寿司ディプロマ2ヶ月コース。

2か月コース130期、今回の受講生の最年少、鈴木徳磨さん(23)。父は現役の寿司職人だ。

今は大手チェーン店で働いているが元は地元で人気の寿司屋を経営していた。

その姿は幼い頃の鈴木さんにとって憧れの存在だったという。

「父が寿司を握っていた姿がすごく印象的でした。

生き生きと仕事をする父がかっこいいと思ったんです。」

鈴木さんは栄養士の学校を卒業後、中華料理のチェーン店に就職。

しかし2年で退職し、すしアカデミーへの入学を決意した。

背景にあったのは「ハワイに店を構えたい」という父の一言だった。

「自分がこの道に進むきっかけを与えてくれた父に恩返しがしたかったんです。

海外で、一緒にお客様の前で握る仕事がしたいなと思ってこの学校への入学をきめました。」

握りの奥深さ

8月31日、いよいよ授業が始まった。

早くも握りの練習がスタート。最も習得が難しく、一番時間を割いて練習するのがこの握りなのだ。

講師の手元を食い入るように見つめる鈴木さん。

「色々な行程が入っていて驚きました。一貫握るだけなのにこんなに難しいんですね。」

早速鈴木さんも初めての握りに挑戦。だがなかなかうまくいかない。

講師のアドバイスを確認しながらゆっくりと握っていくが、なんともいびつな形に。

「なかなかセンス悪いなあ」

講師からのそんな一言が胸に突き刺さる。

一朝一夕で上達するほど握りは甘くないと実感をしたようだ。

狙うは修了証「寿司職人のパスポート」

鈴木さんは受講生の中で唯一、自らローンを組みアカデミーに入学した。

だからこそ絶対に修了証を手にしたい。最終試験に合格すると手にできる修了証は

寿司職人として国内外に就職する際に有利に働くという。いわばパスポートだ。

少しでも練習時間を稼ぎたいと、お手製の握りキットで練習をしている。

「手ぬぐいを握りの大きさに切って、ラップで巻きました。

赤い方をネタに見立てて練習をしています。少ないコストでいかに練習をするかで、父が考えたんです。」

2ヶ月間すしアカデミーで学んだあと、父と一緒にハワイで店を出すという大きな目標を定める鈴木さん。

無謀ともいえるだろうこの挑戦を父はどのように思っているのだろうか。

「彼の気持ちは非常に嬉しいですね。まずは寿司職人としてのスタートラインに立って

彼が納得できるような寿司職人としての人生を送ってもらいたいと思います。」

運命の日、それは握りのタイムトライアル

9月21日。この日、彼らにとっての運命の日、最終試験の課題が告げられた。

講師「握りの練習をテスト形式で時間を測定して行いましょう。」

およそ1ヶ月後の10月17日に行われる最終試験、それは握りのタイムトライアル。

合格の条件はまず3分間で18貫握ること。つまり10秒に1貫握る計算だ。

当然速さだけをテストするわけではない。

形や重さが15貫以上なければ合格することはできないのだ。

初めての時間測定。この計測が今後の練習の大きな指針となる。

鈴木さんの結果は3分間で13貫。ボーダーラインからは5貫足りない。

さらにここから講師陣のチェックが入る。綺麗に握れているように見えるが・・・。

講師「ネタが少し傾いちゃってるね。」

鈴木さんの握りだが、ネタが少し右にずれてしまったようだ。たったこれだけでも客には出せないのだ。

「難しいですね。スピードを意識してしまうと大変です。」

工夫をこらした自主練習

ある日の放課後、鈴木さんが教室に残っていた。

キュウリを切っているようだが、一体何をしているのだろうか。

「キュウリをしなしなにして、握りの練習に使います。ネタを買うお金がもったいないので。」

放課後の自主練習は基本的には実費だ。

ローンで受講している鈴木さんは少しでも節約しようとネタの代わりにキュウリを買ってきたのだ。

お手製のキュウリネタ。ちゃんと握れるのだろうか。

「キュウリだとシャリにうまく馴染まなくて難しいんです。それが逆に練習になりますね。」

正確な手順でしっかりと握らないと完成しないキュウリ寿司。鈴木さん考えましたね。

心に刻んだOBの言葉

運命の日まであと一週間。

この日クラスメイトと銀座を訪れた鈴木さん。向かった先は高級店寿司店ひしめく銀座に去年オープンした「結」。熟成した赤酢のシャリで握られた独創的な寿司が人気となっている店だ。

ここで腕を振るうのが青木健一さん。すしアカデミーOBだ。

役者を目指し海外で演技を学んでいた青木さんだったが30歳で帰国し、すしアカデミーに入学。以来国内外で寿司職人として働いてきた。

鈴木さんはどうしてもOBの活躍の場を見たいと思ったのだ。

青木さん「この人を喜ばせようと思う気持ちがないと何も始まりません。

あとは、自分自身も楽しみながらお客さんと接することが大切です。

お客さんが楽しくなればプラス1、でも俺がつまらなかったらマイナス1。ゼロです。

だからプラスになるように自分も楽しむんです。」

職人と客が対面する寿司屋だからこそ、もてなしが重要となる。

青木さんの言葉を鈴木さんはしっかりと心に刻んだ。

運命の日。一生忘れることのない2か月

そして迎えた運命の日。握りの終了試験当日だ。

少し緊張しているのだろうか、それでも気合たっぷりの鈴木さんからは頼もしい一言。

「僕には目指すべき人がいます。絶対にクリアしてみせます。」

初めての時間測定の日は3分間で13貫しか握ることができなっかった鈴木さん。

結果はなんと22貫を握り、形や重さのミスもなくパーフェクトで試験を終えた。

「次のステップへ進む第一歩になったと思います。」その表情からは自信を感じられる。

鈴木さんはいったん国内の寿司店に就職し、5年以内に父と一緒にハワイへの進出を目指すという。

2か月間を振り返って鈴木さんはこう語る。

「この2か月間は本当に楽しくてあっという間でした。

寿司職人は自分が本当にやりたい仕事だったんだということを再認識できました。

この2か月のことはきっと一生忘れないんだと思います。」

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