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スイスで子育てと仕事を両立!

石井裕子さんは江戸前寿司ディプロマコースの卒業生。

現在、スイスのヌーシャテールという小さな町で、子育てをしながら寿司ケータリングの仕事をしています。

「寿司は全くの未経験だった」

そう語る石井さんが、寿司を学ぶことを決意した理由は何だったのでしょうか。

フランス料理から方向転換!寿司の道へ

幼いころから食にはすごく興味があって、知人に「料理に向いているんじゃない」と言われてその道に進みました。

大学では食物科を専攻し、その後フランス料理を学ぶためにパリへ渡りました。

なぜ、フランス料理を選んだのかというと、当時は料理といったらフレンチ!というイメージがあって。

フレンチを極めれば、どんな料理でもできるような気がしていたんです。

そんな私が寿司を学ぼうと思ったのは、奇しくもフランス滞在中だったんです。

滞在中に何度も何度も言われた、「お寿司作ってよ!」の言葉。

「そんなに簡単に作れるものじゃないのよ!」と答える度に、寿司を握れたらきっと海外では強いんだろうなあと思っていたんです。

その後日本に帰国しましたが、日本人とフランス人のハーフである主人と結婚し

その主人の転職でスイスに行くことが決まりました。

このタイミングで、「よし、お寿司を学ぼう」と、未経験ながら決意しました。

繊細で奥深い寿司の道

いくらフレンチを勉強した経験があると言っても寿司は全くの未経験でした。

魚の捌き方や手順もフレンチとは全く違いますし、和包丁を持ったのも初めてだったので

授業で扱うこと全てが新鮮でとても楽しかったです。

ただ、やっぱり日本食は繊細で奥深いですね。

フランスは味付けが壁。ソースの味を決めるのがすごく大変です。

それに対して寿司は味付けより、素材そのものをいかに活かすかが求められます。

その点がフレンチ一番違うところだなと感じました。

寿司を習うに当たってもっとも難しかったのは握りの形ですね。

決められた時間内で綺麗な形を整えて出すというのが最大の難関です。

できるようになるために居残りもしたし、家でも自主練しました。時間があれば起きてすぐ朝練もしました。

練習用のシャリ玉をティッシュやサランラップで作って電車の中でもやっていましたね。

その甲斐あってか、何とかテストは1回でクリアできましたが・・・今でも難しいと思っています。

スイスでのお仕事

スイスに渡って、つてもそんなになかったので、まずは週1回程度から家で握り寿司と巻き寿司を教えました。

英語ができる外国人も対象にしていて、口コミで少しずつ広がってお客さんも増えていったんです。

そんなとき、今のお仕事をするきっかけとなる出会いがありました。

知り合いの知り合いがケータリングの会社を経営していて、寿司の握れる人を探していたそうで、声をかけてもらったんです。

スイスだと会社でよくパーティーをするのですが、例えばクリスマスパーティーなどの時には レストランに人が入りきらないので

オフィスに皆を集めてケータリングを呼んでパーティーをすることが多いんです。時には船上でやることもあるんですよ。

スイスではそういったパーティーのメニューには、必ずと言っていいほどお寿司が提供されるんです。

マグロとサーモンの握りが一番人気で、あとはカリフォルニアロールやスモークサーモンのロールなどが人気ですね。

ただ、やはり日本に比べて食材は少ないし、安定的に美味しいものを入手するのが難しいのが現実なので

メニュー開発は私なりに工夫をしています。

例えば、アスパラや鶏むね肉のスライスをロールにしたり、アボカドの握りを作ってみたり。

江戸前寿司の枠にとらわれすぎず、けれどその枠を超えすぎてもいけない。

オリジナルメニュー作りは大変ですが、その分やりがいは大きいです。

天国のような国での子育て

ケータリングのお仕事をはじめて間もなく、一人目の子供を妊娠しました。

体調やスケジュールの調整をしながら仕事ができていたので、無理なく両立することができました。

スイスという国は、子供にとっては天国のような国だと思います。

家の前には湖があり、冬は雪山でソリができるような自然豊かな環境でのびのびと子育てをしています。

日本にいると塾に行ったり他人の子と比較したり色々な制約がありますがスイスはその辺りは自由ですね。

スイスの子育ては比較的親がつきっきりで子供をしっかり見るスタイルだと思います。

保育園や幼稚園はやはりお金がかかります。

1日預けたら1万円以上かかりますから それ以上収入があることが前提ですね。その辺は日本の事情と似ているかもしれません。

コミュニケーション能力が成功のカギ

どこの国へ行っても同じだとは思いますが

プロとして仕事を極めようとするときに重要なのは語学だと思います。

私は元々海外経験もありましたので英語力には問題はなかったのですが、スイスはフランス語も公用語として使われていますので

これからはフランス語もしっかりと勉強していきたいと思っています。

最初は、語学なんてできなくても愛嬌と気合でなんとかなると思っていました。

でもそれが通用するのはある程度のレベルまで。

例えば、お寿司を提供するときに、「これはサーモンです」という最小限のコミュニケーションが取れればその場はなんとかやり過ごせます。

けれど、「お味はいかがですか」とか「楽しんでいますか」などの、何気ない会話ができるようになるとまた別の世界が見えると思うんです。

お寿司の魅力を伝えることももちろんできるでしょうし、私の事を覚えていただいてその後またお仕事のお話を頂けることもあります。

また、従業員の方とのコミュニケーションも、お仕事をスムーズに楽しく進めていくためには重要です。

仕事以外のところでも積極的に関わっていき仲を深めることで、仕事の質も上がり雰囲気も格段に良くなります。

これから海外でお仕事をすることを考えている方も、ぜひ語学はしっかり学んでほしいと思います。

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