26歳若造、これでも寿司屋の大将やってます。
三木郁弥さん

「いつか自分の店を持ちたい」。

料理人であれば誰もが思うことではないだろうか。

寿司職人養成学校・東京すしアカデミーの卒業生

三木郁弥(みきふみや)さんは若干26歳でその夢を叶えてしまった。

彼が大将として勤務するのは東京すしアカデミー直営店、西新宿「誠寿司」。

寿司学校入学後、わずか5年余りで店を持つことになるとは思つことを誰が想像できただろうか。

「やりたいこと」は偶然見つかった

私は大学では工学部に所属をしていたのですが、

その分野を生かすような職業に興味が持てなかったんです。

卒業後イメージも漠然として定まらず、なんとなく過ごしていました。

しかし、2年生の時ににテレビで偶然東京すしアカデミーを見たのがきっかけで

この道でやっていきたいと思ったんです。

高校時代からずっと回転寿司店でアルバイトしていたこともあって身近に感じたんですよね。

テレビで紹介されていた握りの速さを競う試験の様子を見て、

自分ならもっと早くできるのに!なんて思ったりもしました。

かといってその時すぐに大学を辞める勇気もなかったので

4年間はきっちり学校に通い、卒業後すぐに入学をしました。

海外経験ゼロ、一から英語を勉強

私が人生で初めて海外に行ったのは、

大学時代に経験したオーストラリアへの2ヶ月間の語学留学でした。

英語なんて全くできませんでした。

初めての国際線の飛行機の中で、背の高いキャビンアテンダントさんに

“Beef or chiken?”と食事の希望を聞かれた時には

動揺してしまった「ビビビビビーフ!」って答えてしまいました(笑)

それだけ英語には免疫がない状態だったんです。

でもあえてフランス人とルームシェアをし、生活の中で英語を覚えていきました。

海外の寿司屋を見て、感じた自分の可能性

2ヶ月間オーストラリアで暮らしてみて、自然の豊かな環境が気に入ったのはもちろんですが

それと同じくらいオーストラリアの寿司のレベルに驚きました。

街中にたくさんの寿司のお店があったのですが、どれもまだ発展途上の寿司のように感じたんです。

自分だったらこうするのに!とかこんなメニューがあれば売れるのに!とか考えたりする中で

世界に通じる寿司職人になりたいという気持ちが大きくなっていきました。

寿司学校は大変?

よく聞かれるんですが僕は学校が大変だったと思ったことはこれっぽっちもないんですよ。

だって自分で学費を出して、勉強したいことだけやらせてもらえているんですから。

自分自身の夢を掴むために、車を買おうと思って貯金していたお金で学費をまかないました。

大学の時の授業なんかよりも何倍も楽しかったし、遅刻も欠席もしませんでした。

何かを勉強する時はとにかく『自分はこれが好きだ』と思って打ち込むことが大事だと思います。

好きこそ物の上手なれって言いますしね。

海外就職が決まった!なのに・・・

東京すしアカデミー卒業後は海外就職を目指して動いていました。

意外とすんなりミラノの寿司店に就職が決まってあとは出発日を待つだけという時に、

ビザが下りないことが判明して。

本来であれば発給の条件を満たしていたので問題はなかったはずなのですが

細かな審査要件に引っかかってしまったようでした。

弁護士にも協力を仰いで、色々な手を打ったのですが結局は申請は却下されてしまって。

意気込んでいただけにすごく落ち込みました。

でも逆に、日本でしっかりと下準備をする期間ができたんだとプラスに捉えました。

ビザ問題はすごくデリケートな問題ですし、これからまた頑張ろうとそう思ったんです。

店の立ち上げスタッフから店長へ

その後は海外就職からいったん離れて、日本で技術を磨こうと決意しました。

そんな時に、東京すしアカデミーの店舗で店舗で技術だけでなく経営を勉強してみないかと

声をかけてもらって迷わずその道を選びました。

食べ放題の店を手伝ったり、新規出店の立ち上げメンバーとして奮闘したり。

そして誠寿司の大将に抜擢されました。

正直びっくりしましたけど・・こんな若造に務まるのかなって。

でも店の方向性と自分の実現したいことが近いなと感じたことや

特に若手でないとできないこともこの店にたくさんあるのだと思い

不安はありましたが話を受けることにしたんです。

目指すは「敷居の低い、旨い店」

実際に大将という立場になってみて、やっぱり店を動かすのって大変だなと感じました。

原価管理、経営・・今まで一度も携わってこなかった事の勉強だけでなく

後輩も教えていかなければいけない。

常にいっぱいいっぱいでした。

でも若くしてここまでの責任をもたせてもらえたからこそ責任は果たしたいと思っていたので続けられました。

私が目指す店は、敷居の低い美味しい寿司屋です。若い人でも気軽にお寿司を楽しんでほしいからです。

お客様の要望をできる限り反映しつつ「こんなメニュー作って」といわれたらすぐにその場でアレンジして

少しずつですがリピート客も増えてきました。

私自身が若手だからこそできることがあると信じていますし、

スタッフみんなの若さと明るいエネルギーがお店を通じてお客様に伝えられたらいいなと思います。