<卒業生インタビュー> 柴田 博子さん

プロフィール

職種:寿司職人

勤務地:カタール

経歴:前職は自衛官。東京すしアカデミーの寿司シェフコース(1年コース)9期を2015年に卒業後、日本の大衆店、中級店、銀座の高級店など様々な形態の寿司店で勤務。

半年程前から、カタールの5つ星ホテル内の和食レストランのオープニングスタッフとして働いている。

*現在寿司シェフコースが寿司職人養成インターンシップコース(8ヶ月)へと変更されています。

座談会 東京すしアカデミー オーストラリア

東京すしアカデミー入学のきっかけは?

以前は自衛官として働いていました。夫の転勤をきっかけに引越しを余儀なくされ、その時就いていた職を離れることになった時、「これは転機かも。職人になってみたい!」と思ったのがきっかけです。

全国転勤がある家庭環境だったので、「どこでも通用する技を身に付けたい。手に職を持ちたい。」という気持ちがありました。

 離職してからハローワークにすぐさま足を運び、自分の頭の中でその時すでにキーワードになっていた「職人」で求人を検索。すると、そこに『寿司職人』の文字が。これは面白そうだと思い、早速”未経験でも可”とうたっていた回転寿司屋に応募して、そこで働くことになりました。

お店では寿司を作るほんの一部の行程にしか関われず、寿司の魅力を感じるほどに、「魚を捌くところからきちんと学んで、寿司を握れるようになれたら」という思いが強くなっていったんです。

寿司のことを教えてくれる学校があればいいのに」と思って再びネットで検索してみたら、「東京すしアカデミー」のサイトにたどり着きました。

これが「東京すしアカデミー」との出会い、今から3年程前のことです。

在学中に学んだこと

選んだコースはシェフコース。やるからには腰を据えて、時間をしっかり取って技術を習得し、就職先の即戦力となって色々なことを任せてもらいたいと思って選択しました。

授業では「丁寧な仕事」を学ぶことが出来たことが、非常に良かったと思います。大衆店でアルバイトをしている環境では得られない技術を、講師の方々からたくさん教えていただくことができました。一つの魚に対して、様々な仕込み方法があることを知れたことは、現在の仕事にもつながる財産となりました。

現場のお店では、限られた時間の中でどこまできちんと仕事が出来るかが問われます。

学校の授業で丁寧に説明してもらいながら学んだことを、神楽坂すしアカデミー(東京すしアカデミー直営店)でのアルバイトを通して実践する、というくり返しの日々の中で、力をつけるよう努めました。

学んだことを現場で生かす

お店によって、仕事の仕方も違ってくるため、色々な状況に対応できるように経験を積むことも必要です

在学中、神楽坂すしアカデミーのアルバイトと並行して、こじんまりしたカウンターがある寿司店でも働いていました。お客様はビジネスマンが多い横浜エリアの中級店で、魚の質にもこだわりを持った良いお店でした。卒業後には、この時のアルバイトがご縁になって就職、カウンターに立たせていただけることになりました。

大将と私しかいないという状況になり、即戦力が求められましたが、東京すしアカデミーで実際に多くの魚をさばいて学んだことが、大いに生かされる結果となりました。

この横浜の寿司店で1年程働いたのち、東京すしアカデミーの求人紹介を通じて、銀座の寿司店で勤務する機会を得ました。それまでお世話になった大将も、「柴田さんが辞めてしまうのは惜しいけれど、銀座ではたくさんのことを学べるから。」と背中を押してくださいましたし、色々な世界の寿司屋を見てみたいという気持ちがあったんです。

銀座の寿司店勤務から、カタールへ

銀座のお店は常連のお客様しか入店が難しいような高級店で、客単価、店全体のコンセプトなどもだいぶ違いましたね。さらに他の有名な高級店での仕事も経験しましたが、やはり銀座は特別な場所です。お店によっては外国人のお客様が非常に多いところもあるので、英語のスキルが生きた場面も多かったです。

外国人のお客様と関わるうちに、海外就職への関心も高まってきた頃、「女性板前募集」と言うキーワードでネット検索をしてみたら、カタールでの寿司職人の求人が目に留まりました。

この求人をきっかけに、カタールで寿司職人として働くことに!

現在は5つ星ホテルの中にある、近々開店する和食レストランにオープニングスタッフとして勤務しています。寿司はもちろん、和食とのフュージョン料理もお出しする予定です。

カタールで寿司職人!

カタールはイスラム教圏であるため、女性寿司職人が接客する女性客専用カウンターや、家族で使えるVIPルームへの需要があることを見込んだプロジェクトも進行中です。女性のお客様への接客に楽しさを見出していた私には、とても興味深い内容です。

日本でも、海外でも、女性寿司職人を求めるお店は増えてきているように思います。時代は変わってきているのかもしれません。

カタールでは寿司は馴染みのあるものになってきています。海に囲まれている国で、魚も豊富にとれますし、生魚に抵抗を示す人も少ないので、特にヘルシー志向の富裕層の方々に人気です。

イスラム教圏の国で和食を提供する際には、異なる文化、宗教的戒律にきめ細かく対応することも大切です。ハラールの食材、調味料しか許されませんから、「ハラール対応のお寿司」を理想の味に近づけようと、試行錯誤の日々です。

制限がある中でも、日本から取り寄せた魚、日本産の米を使うなど、食材選びにはこだわっています。

インターナショナルな仲間たち

現在の職場はとても国際色豊か。出身国によって味覚が違い、同じものを食べても感じ方が違うんです。すごい辛い料理を日常的に食べている同僚を、最初は驚いて見ていましたが、実際に本場の味を試させてもらったりするうちに、「彼らはこの辛さの中にバランスを生み出しているのかな」と気付いたり。インド人の同僚に、ベジタリアンが多いインドでは「ベジ寿司」が流行っているという話を聞いたりもしました。

日本を離れると、「この国の人たちが美味しいと思える寿司ってどんな寿司だろう?」という新しい視点で寿司を見ることも出来ます。

色々な国の人と意見を交わせる今の環境では、日本ではなかなかできなかった経験も出来て、本当に面白いし、勉強になりますね。「食」に対する探究心は限りなく広がります。

在校生へのアドバイス

授業での実習に加えて、家でも魚を買って自主練することをおすすめします。自分で扱うのが不得意だと感じる魚は特に、とにかく練習を繰り返すに尽きます。これが現場で精度を上げて的確な仕事をしていく上で、大きな力になりますよ。

また、個人的には、日本である程度経験を積んでから海外で就職という流れの方が良いと思います。海外での就労条件、待遇が良くなるからです。私も日本での経験が考慮され、カタールではジュニアスーシェフ(副料理長補佐)のポジションからのスタートを切ることが出来ました。

持ち前の行動力、向上心、食に対する好奇心を存分に発揮し、カタールでの寿司職人としてのキャリアをスタートさせた柴田さん。

凛とした雰囲気を持ちながら、枠にとらわれない、しなやかな心を持った柴田さんは、異文化の中で充実した日々を送っていらっしゃいます。

益々のご活躍を!