卒業生 宮本 岳志さん インタビュー

宮本 岳志さんプロフィール

職種:営業企画

勤務地:オーストラリア

経歴:大学卒業後、1年間のイギリス留学を経て、東京すしアカデミーで寿司職人としての基礎を習得。海外で働くことを視野に、ビザ申請にも有利になることを見越して、東京すしアカデミー直営店『誠寿司』をはじめとし、三年程、日本の寿司店での経験を積む。調理師免許も取得。その後オーストラリア・シドニーに渡る。現在は永住権も取得し、日本食を中心とした食品製造及び卸会社で、マネージャーを務める。

寿司に興味を持ったきっかけは?

大学卒業後すぐに、20代前半でイギリスに語学留学した時、

ロンドンのお寿司屋さんで学生アルバイトとして働いていました。

予想以上に繁盛していて、寿司が海外で大人気だということを目の当たりにし、

「寿司が握れれば、海外でも働けるかもしれない」と思いついたんです。

それからどんどん寿司の世界に興味が出てきて。

はじめは英語が話せないから行ったはずの1年間の留学。

それがいつの間にか「寿司留学」になったような感じでした。

はじめはどんな仕事をしていたのですか?

アルバイト先の寿司店はカウンター式でしたが、

テイクアウトがほとんどでした。

最初は、いわゆる「裏巻き」(日本の一般的な海苔巻きとは違い、

海苔が内側に酢飯が外側にくる巻き寿司)をひたすら作っていました。

1年間の留学を終えた後の進路は?

日本に帰国することを決め、専門商社で働きだしたのですが、何ともしっくりこなくて退職を考えるようになりました。

その時頭に浮かんだのは、イギリスでその大きな可能性に気付いた『寿司』というキーワード。もう一回、寿司の世界に飛び込んで海外で働きたい、

という思いが日増しに強くなっていったんです。この夢を実現するために『東京すしアカデミー』の扉を叩いたことが、人生を大きく変えることになります。

入学したのは2ヶ月コース。心を決めてからは仕事と両立しながら通学し、学びの延長として、アカデミー直営の寿司店である『誠寿司』のオープニングにも関わることになりました。「辛く長い修行」を経ずに、すぐに魚を触らせてもらえて、しっかり技術指導もしてくれる東京すしアカデミーでの授業はやはり貴重でした。

アカデミーを卒業し、企業を退職してからは『誠寿司』勤務を経て、日本の大衆寿司店(立ち食い寿司店)に就職しました。

海外の多くの寿司店で求められているのは、いかに効率よく多くの寿司を握れるかだとイギリス滞在中に実感していたので、数年間はとにかく寿司をたくさん握らせてもらえる職場環境をあえて選び、まずは日本で技術を身に付けることに専念しました。一日1000貫くらい握ることも…。

オーストラリアに渡るまでの過程を教えてください。

調理師免許も取得し、いよいよ「海外で寿司職人になる!」という壮大な計画が現実味を帯びてきたわけです。

英語圏で、気候も良くて…という自分にぴったりくる場所を下見もしながら探し、最終的にオーストラリアに行くことを決めました。友人がオーストラリアで既に永住権を取って寿司屋で働いていたのも、きっかけになりましたね。海外で「絶対就職しよう」という意志は固く、ビザ取得に有利な条件になるであろうことは逃さないようにしました。東京すしアカデミーの修了証と調理師免許は実際役に立ちましたね。

まずはワーキングホリデーでオーストラリアへ。ファーム(農場)での仕事を経て…と思っていたら、何と現地に着いて1週間くらいで、日本人の会社のオーナーから「うちの会社の面接を受けてみないか」という願ってもいないお声が掛かりました。その時に就職した日本食を中心とした食品製造・卸企業で、今も働いています。然るべき手続きを経て、就労ビザ、永住権と着実に取得。時間は掛かりましたが、確実に日本で手に入れた経験と資格、英語力が活かせました。

日本食を中心とした食品製造・卸企業でどんな仕事をなさっているのですか?

最初はその会社が経営する和食レストランで働いていました。即戦力として扱われる現場で、日本で学んだことを元に、力を発揮することが出来ました。

その後、本社に異動となり、マネージャー職を与えられ、人を動かす立場に…。最初は経営に関わることに戸惑いもありましたが、新しい仕事を創り出す今の仕事はとてもやりがいがあります。例えば、「魚の仕入れ」、「加工」、「卸し」までの過程で、いかに付加価値を付けられるか(味付けの工夫など)を一所懸命企画して、売り出す時はワクワクしますね。まだ誰も輸入していない日本の食品をオーストラリアに紹介することもあるんですよ。

日本の食文化を掘り起こす仕事って、本当に面白いです。現地の寿司店ともつながりがあり、シャリや冷凍の輸入寿司ネタなどの素材を卸したりもしています。『誠寿司』(前述)で寿司職人として働いていた時に得た知識も生かされていますね。日本の食品加工用機械なども扱うことがあり、日本の機械製品の技術力の高さを改めて感じます。

オーストラリアで寿司を中心とした「日本食ビジネス」を展開する時に、一番求められていることとは?

日本でのやり方を頑なに守るだけ、という考え方ではうまくいかないと思います。例えば「日本の寿司はこういうものだ!」と固定観念を強く持ちすぎていると、それが海外でのビジネスの邪魔になることもあるというか…他の店と同じことをしていては、ビジネスの観点でいえば成功できない、ということになるでしょう。味付けなどに関しても、他の人が考えつかないような、自由な発想を持つことが大切だと考えています。日本人が持つ食文化と、「オーストラリア人が求めている和食」との間に良いバランスが見つけられると良いかと。フレンチレストランで働いていた人が寿司職人にキャリアチェンジして、斬新なアイデアを持ち、それが功を奏した、なんてパターンもあります。

今後の目標を教えてください。

「日本食ビジネス」に関わることにとてもやりがいを感じているので、

当分はこの仕事を続けていきたいと思っています。

とにかく柔軟な気持ちを持って「まだ誰もやっていないこと」を世の中に提供したいと思っています。

海外就職希望の方にアドバイスをお願いします!

嫌なことがあっても、それすら楽しんじゃう、というような精神でしょうか。それから、人に流されることなく、自分の軸を持っていることも大切かなと思います。大変なことがあっても、自分が好きな土地に住んでいると、やっぱり楽しいですよ。シドニーは海が近いからフィッシュマーケットもあって、新鮮なカキとワインで乾杯なんてこともあります。

海外で働きたい方に伝えたいことは「本気」で取り組むことがとても大切だということ。私も四六時中、仕事のことを考えてしまうような時期を経て、真剣に向き合ってきたからこそ、今があります。どうぞ頑張ってください!

新しいこと、まだ誰もやっていないことを創り出す

ビジネスへの関心が高く、やりがいを持って働く宮本さん。

寿司職人として培った経験が、日本食ビジネスに関わる

現在の仕事に活かされているように思いました。益々のご活躍を!